2008年03月31日

あいかんが開業20周年

 岡崎と高蔵寺駅間約45・3㌔を結ぶ第3セクターの愛知環状鉄道(岡崎市、資本金91億2030万円)の開業20周年を祝う式典が25日、豊田市喜多町の名鉄トヨタホテルで開かれた。式典には、沿線の代議士や県議、首長、市議長ら関係者約250人が出席し、各地で苦しむ3セク鉄道の数少ない優良児の節目を祝うとともに、新たな船出をお祝いした。

 旧国鉄岡多線・瀬戸線(岡崎―高蔵寺)は、西三河から尾張東部に連なる中核都市を結ぶとともに、東海道本線と中央本線に接続して中京圏の環状線を形成する重要な鉄道として昭和40年に着工。45年10月に岡崎―北野桝塚間で貨物営業を、51年4月に岡崎―新豊田間で旅客営業を開始した。残る新豊田―高蔵寺間の工事もほぼ完成にこぎつけ、全線開業が目前となっていた。

 だが、国鉄再建策の中で岡多線も61年5月第3次特定地方交通線として廃止路線となり、国鉄としての全線開業、維持存続ができなくなった。こうした中で県と豊田、瀬戸、岡崎、春日井の沿線4市が中心となって協議を重ねた結果、この岡多線・瀬戸線の沿線は、工業団地、住宅団地のほか、大学・高校などが数多く立地。また、さまざまな開発計画や構想もあり、今後の発展が大きく期待されているため、地域住民の足として、さらに県の効率的な交通体系に不可欠な鉄道であるとして3セク方式による経営権の引き継ぎを決めた。そして61年9月愛知環状鉄道を設立し、63年1月営業を開始した。

 平成17年度は愛知万博の主要アクセス路線として全国に知られ、860万人を運び、その年の乗降客は1970万人に達した。今年3月には三河豊田―新豊田間が複線化され、通勤時間帯に新たにシャトル列車を7往復させ、8分間隔で運行している。

 式典で神田真秋社長は、「利用者は年々増え、沿線では自動車から鉄道への転換が進められている。これは愛環の存在なくしてできないことであり、当時の関係者の皆さんの将来の交通体系、環境社会の到来を見据えた先見性に感謝。現状に満足することなく地域発展に尽くしたい」と挨拶。中部運輸局の中田徹局長は「18年には1日当たりの乗客は3万2000人と開業当初の3倍に増え、他の3セク転換鉄道のお手本になっている。沿線企業のエコ通勤意識は高く国交省もモデルとして発信していく」と話した。



Posted by どんぐり at 16:42│Comments(0)
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