2008年04月07日

トヨタ出身の吉見投手が初完封

 地元中日は6日、名古屋ドームでヤクルトと対戦し、中村紀の昨年4月21日のヤクルト戦(神宮)以来となる2打席連続のアーチで6-0で快勝。投げては、今季初先発の3年目の右腕・吉見一起投手が緩急をつけた投球でヤクルト打線を4安打で抑え込みプロ初完投、初完封で今季1勝目を手にした。

 140キロ台前半の直球と抜群の制球力が光った「投」のヒーロー吉見は、2006年にトヨタ自動車から希望枠で入団し、1年目に1勝。昨季は勝ち星がなかった。毎年”春の元気印”でキャンプでの評価は高いが、実践になると弱気の虫が出るのか、自ら崩れるケースが多かった。

 地元トヨタ自動車出身と言うことで、都市対抗出場やプロ入り入団記者会見などで何度か取材をしたことがある。

 正月号の取材で星ヶ丘のトヨタ独身寮を訪れた際は、「取材をするのでスーツで」とお願いしていたのだが、言ってみるとスウェットの部屋着姿。表情は寝起きという感じで、再度着替えてもらい、談話室で取材した。飾らない性格で好青年の印象で応援していたのだが、これまで結果は出ていなかった。

 昨年、トヨタからロッテに自由枠入団した服部投手の記者会見の時、山中繁監督に吉見投手についても話を聞いた。

 「一昨日もあったけど、最近吉見からかかってくる電話は愚痴やぼやきが多い。中日は12球団1の投手陣で入り込むチャンスさえない。2軍にも他チームに行けば、先発ローテに入れる投手がゴロゴロいる。どうして中日に・・・」

 俺はこう言ってやった。「自由に球団が選べる自由枠で入団しといてどういうつもりや。1軍を目指して自分に足りないところを見つけ、克復していかな、どのチームに行ったって1軍に入れんやろ。その気持ちを変えなかんわ」と。

 山中監督自身、捕手出身。興国高校から同志社を経てトヨタに入った。後輩として入ってきた古田にその座を奪われ、ずっと試合に出られなかった苦労人。それだけに恵まれた環境にいながら、気付いていない吉見を叱咤した。

 あれから4カ月。

 自主トレ、キャンプを経て、吉見投手は、どう意識改革ができたのか。

 とても興味深い。  


Posted by どんぐり at 10:34Comments(0)