2008年04月03日

トヨタの入社式を取材②

 トヨタ自動車ではここにきて渡辺捷昭社長(豊田市出身、岡崎高、慶應大卒)から各部長たちに、頻繁に厳しい言葉が投げかけられているという。

 昨年は生産台数でGMを抜いて世界一となり、販売台数もグループ全体で937万台と16年連続で新記録を達成。その中でトヨタは「No1」「フロントランナー」として、社員自らもそして周囲も「トヨタは安定している」「将来は安泰だ」と思われている。しかしここにきて会社を取り巻く環境は急激に悪化している。世界経済では、昨年後半からのサブプライムローン問題に端を発する米国経済の景気後退、予想を超える急速な円高、原油をはじめとする資源価格の高騰など21世紀に入ってトヨタ自動車にとって幸運だった外部環境がわずか数カ月の間で一変。また、途上国経済の急激な発展で地球温暖化・資源枯渇など環境・エネルギー問題への対応は、先進国だけではなく、世界的な課題となり、「世界的な関心の高まり」という他人事から、「世界中で実行に移す」という段階に入ったということが背景にあるという。

 世界展開し、多くの従業員を抱えるトップの危機感は、周囲からの「安泰だ」という声とは対照的。会議のたびに「世界の潮目が変わった」と熱っぽく訴えるなどその意識は相当強い。そして、それを従業員にもしっかりと持たせるため、各部でさらなる向上と工夫を求めているのだとか。

 

   


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2008年04月03日

トヨタの入社式を取材①

 豊田市保見町のトヨタスポーツセンターで開かれたトヨタ自動車の入社式終了後、新入社員約2000人を代表して辞令交付と、誓いの言葉を述べた社員のインタビューを行った。

 辞令交付〔事務・技術職〕

●谷口拓士さん(23)=富山・高岡市出身、東大経済学部卒=
  「事業所や工場など海外展開に積極的で、そうした多様な価値観の中で自分を成長させたいと志望。トヨタの魅力は、いろんな意味で大きな会社で、さまざまな国でクルマを通じた社会貢献に熱心で、その分社会に与える影響と責任も大きい点。欲しいクルマは、環境にやさしい『プリウス』」

●村上瑞紀さん(24)=名古屋市在住、名大経済学部卒=
 「志望動機は、地元に拠点があり、世界を舞台に働けると思ったから。特に、途上国に行き、何もないところから1から現地の人たちともに立ち上げる中で喜びを味わいたい。アフリカ、アジアの途上国を問わず。社長が挨拶で述べられた『明るく(プラス志向)、楽しく(主体性)、元気よく(良いと思うことは早く実行する)』を実践したい。そして地域に貢献していきたい」

 誓いの言葉〔技能職〕

●吉田康平さん(18)=福岡・八女市出身、西日本短大付属高卒=
 「小さなころから、ミニ四駆が好きで、自動車会社で将来働きたいと思った。仕事が厳しいトヨタでしっかり働き、自分を磨き、自分と関わった人が幸せになれるようにというのが目標。両親からは『日本を代表する立派な会社なのでしっかり頑張ってこい』と。まだ、立派な社会人ではないので、やっていけるか少し不安。いつかは『クラウン』に乗りたい」

●成田夏美さん(18)=北海道・富良野市出身、富良野緑嶺高卒=
 「社長の考えを知り、それに付いていきたいと思った。それは、上にいても常に向上心を持ち続けていること。目標は、まずは任されたことを一生懸命にやり遂げること。まだ免許がないが、『プリウス』が欲しい。チャンスがあれば、海外へ行きたい。両親と姉からは『頑張ってこい』と励まされた」  


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