2008年03月31日

出版・印刷業界の淘汰は凄まじい

 先ごろ東京文京区の製本会社宅で無理心中事件が発生したが、出版・印刷業界の低迷は著しく、倒産が相次いでいる。かつての八百屋や魚屋がスーパーの出現で淘汰されたように、「紙媒体はなくならない」というのは業界のウチだけは大丈夫という思い込みに過ぎないのかもしれない。

 というのも、大学時代マスコミ塾で一緒だった連中の多くは中小の出版社に進んだのだが、ここにきてweb媒体への転職が相次ぐ。電気機器や食品などの新商品の比較、アウトドアなど専門に特化したweb媒体への転身が多いようだ。

 一方的に情報をたれ流していた(笑)紙媒体の時よりも、双方向媒体の今の方が、読者からの反応をダイレクトに感じ、やりがいや達成感もも大きいという。

 一昨年、雑誌広告をネットのそれが上回った。ホームページやブログで誰もが情報発信できる時代になり、ホームページをつくり、デジカメで撮った写真をパソコンに取り込み加工するなど一般家庭でもかつて名刺や年賀状などを請け負っていた中小の印刷会社並みのことは出来る。ある程度の規模の会社なら広報誌も内製化し、会議でもパソコンを使用しペーパーレス化への移行は著しく、印刷会社の淘汰は凄まじい。早くに気付いた印刷会社は、早めにwebに移行し難を逃れたものの、その進展は日々加速度的に進み、豊田市でも今月から、マスコミ発表を全て市ホームページで公開し始めた。

 入社以来14年目。鉛の「活字」を拾うという段階から、ワープロを導入して2年目で入社した。

 かつては手書きした割付用紙の行数に合わせてワープロで書き、保存したフロッピーをレイアウト担当に渡して入校。写真も現像し、紙焼き。しばらくして、代理店から来る広告も紙焼きからデジタルデータに移行し始め、当初は紙焼きしていたが、あえてデジタル情報をアナログ化(紙焼き)し汚くする必要もなく、その対応として全てデジタル化が進み、家庭のデジタル化より少し遅れてデータを印刷機械に送り、そのまま印刷できるようになった。

 各地からのブログを『豊田ブーログ』のような地域限定のブログという媒体から発信すれば、知りたい欲求の間に媒体として入る従来通りの紙媒体メディアの役割は減ってくるのではないか。

 http://netallica.yahoo.co.jp/news/30139



Posted by どんぐり at 17:36│Comments(7)
この記事へのコメント
確かに、今はネット、PCにかなり侵食されてますね。

ただ、紙媒体がなくなることは無いと思います。

新聞にしろ、雑誌、文庫本にしろ、

手でさわって、読むという行為は人間にとって

とても気持ちのよいことですから。
Posted by zzz at 2008年03月31日 20:27
zzzさま

なくならないとは思いますが、減っていくことは確かでしょう。
紙媒体の発行部数は、新聞、雑誌、文庫本といずれも減っています。また通販やネットショッピングも身近になっています。
チラシも、新聞購読者が減り、直接情報が提供できる「メールマガジン」で費用対効果を上げているようです。
記者としては、媒体を問わず、コンテンツという場所があれば、生計は立てられるのでしょうが。
Posted by どんぐり at 2008年04月01日 09:06
 ウチの子供たちを見ていると、小さい頃からパソコンに触れ、学校でもパソコンを使った教育を受け、特別ではない日常のアイテム。小説だって普通に携帯で読んでいる。
 小さい頃からハンバーガーやコーラを口にしてきていれば、大人になってもそれが嗜好となってしまう。それと同じで「これは人間の性としてなくならない」というものが、数年でなくなってしまう時代になった。
 悲しいかな。。。
Posted by happymania at 2008年04月01日 13:56
happymaniaさま

写真屋さんも10年前は、使い捨てカメラを現像する女子高生らでごった返していた。それが携帯に変わり、自動車会社も消費のライバルに。写真もデジカメに変わり、写真屋の悲鳴が聞こえてくる。時代の変化のスピードは、想像できない。
Posted by どんぐり at 2008年04月01日 18:10
日本中どこに住んでいても、数種の全国紙を毎朝受け取ることが出来、数種のテレビ局が24時間流す放送を視聴することが出来ます。
インターネットに繋がれば、すぐに情報のかけらを拾えます。
実は、こんな国は、世界のどこにもありません。
この膨大な「紙面枠」や「時間枠」の大半が、何を伝えるかが、本当はとても大切な事だと考えています。
責任を持って、見た事や感じた事を伝えるという事は、とても豊かな感性や高い能力を必要とすると思います。
印刷にしても、webにしても、movieにしても、それは後から付与するスタイルの違いにすぎません。だとしたら伝える手段は、絵画であっても音楽であっても、舞踊であっても良いのかもしれません。
本当に大切なのは、瑣末事に囚われて自分自身を忙しくしないで、「時代の本流」を見据えて生きていくことだと感じます。伝え方がどうあっても、本質を重視する流れは確実に起こっているように感じています。
Posted by chibiro at 2008年04月10日 14:22
chibiroさん
ご意見ありがとうございます。確かにそれが本質なのでしょう?
「枝葉」にとらわれず、「幹」だけを見て実行していけば、道が開けていくという信念でいきたいものですね。
Posted by どんぐりどんぐり at 2008年04月14日 17:32
新聞を読むのは好きです。
本屋に行くのも好きです。
本を読むのも好きです。

やっぱり、活字はいいですよ。

地方紙をはじめ、新聞に元気が無いといわれているのは何故なのでしょうかね。

日刊紙といかに差異化できるのかが復調できるかどうかが鍵でしょうね。

豊田市がWEB上に「報道発表資料」の掲載を始めました。
http://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/

どこの記者がどれだけ足でかせいだ記事を書いているのか、どれだけ手抜きをして記事を書いているのかが一目瞭然です。

厳しく、面白い時代が来ていますね。
Posted by 矢作太郎 at 2008年04月22日 14:09
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