2010年01月21日

昨今の料理人事情

 「飲食業の道に進むものはいずれは自分の店を持ちたい」と取材を通して若者の心意気を感じ、サラリーマン家庭に育ち、周りもサラリーマンの子弟ばかりだった者からすると、新鮮だった。だが、どうも昨今の若者事情は違うらしい。

 「仕事が終われば、自分の腕を磨くため、店の余った食材を使って料理を作ったものだが、最近の若者はプライベートの時間を大切にしてサーと帰ってしまう。サラリーマン料理人ばかり」と残念がる。

 確かに、昔は飲食店を経営する人たちの子弟が門をたたくというケースが多かったが、チェーン店の隆盛でその数も激減の傾向。そのため、「いずれは親父の後を継ぐという高い志や、『一国一城の主』になりたいという意志をあまり持っていない」と指摘する。

 経営者からすれば、かつてのような頑固な職人集団だった料理人たちからすれば、意見も受け入れてくれ、扱いやすい。だが、これだけ多様な飲食店が軒を連ねている時代、こだわりを持って「俺とけんかするぐらいの料理人がどんどん出てきてほしい」と強く願う。
  


Posted by どんぐり at 15:15Comments(1)