2007年12月20日

豊田は真の都市なのか・・・

旧豊田市が高橋、猿投、松平と合併してなかったら、現在の駅前の整備はあったのか。

自動車関連企業に全国から職を求める人で人口は急増し、

「駅前=都市の顔」の名の下、旧豊田そごうはじめ豊田市美術館、豊田スタジアムなどを整備。

ある年代以上の地元生まれの人は企業城下町という代名詞への抵抗感を

持つ者は少なくないが、地図を見ると豊田喜一郎翁が自動車製造を決断してなかったら、今なお

農村地帯でどこかに吸収合併されていたか、いらないと孤立しているだろう。

豊田市はとにかく広く人口密度や駅前の賑わいからは到底、

「都市」と声高らかに言える状態とは言えない。

南部の人は買い物も知立や岡崎、北部は駅前を利用するが、感覚としては長久手や名東区に行く人が少なくない。

行動範囲は人によって随分異なるが、統計上消費が市外へ流出していることから

商業集積地の市街地に対する“中心”という思いは、現状客観的に見れば

市民共通の理念とはなってはいない。

交通の利便性も格段に向上し、伊勢湾岸・東海環状道などの高規格道路のインターが集積。

物流の拠点という都市の特徴が加わる一方、新たな

交通網の整備は“豊田離れ”を加速し、求心力を失わせる。政令指定都市として、イーオンや

アピタを抱える周囲の自治体との合併で消費指数が1になる前に

市としてどういったグランドデザインを描くのだろうか。

先日トヨタ自動車で働く20代と飲む機会があった。

いずれも東京、横浜、大阪、神戸出身。豊田市が合併したことも知らなかったが、

合併の理念で「都市と農村の共生」を掲げていることを話すと、

豊田市が都市なんですかと半ば半笑いされた。

内輪で旧豊田市民が旧町村のことを田舎扱いしても都会出身者からすれば「豊田=都会」のイメージは微塵もないのだろう。

個人的には、旧豊田市自体が北に猿投山、中心部に矢作川が縦断し、合併する前から

自然と共生する地域だった。

中途半端に、全国にある「ミニ東京」を目指すより、それはそれで魅力だと今も思う。
  


Posted by どんぐり at 17:10Comments(1)

2007年12月20日

新成人は2人とも工学部の男子大学生

正月号の「新成人特集」で取材した2人は、偶然にも2人とも名古屋と静岡大工学部在学中の男子大学生だ。

理工系やものづくり離れが叫ばれる中、「日本の経済を支えているのはものづくりだ。それに携わりたい」と

志望動機は2人とも全く同じ。

だが、進学統計を見れば、明らかに理系離れは進み、県内の愛知工業大学や中部大学などの

志願者数を見ると、少子化の影響もあり、10年ほど前と比べると減少率はすさまじい。

比例してレベル低下も深刻だとか。

ある高校の進路指導担当教諭に聞くと「想定した数以上に合格者数を出している」という。

地元ではトヨタグループの優良企業で知られるアイシン精機も首都圏や関西など地元以外の認知度が低く、

大学3年生の「就活」のスタートと前後してコマーシャルを積極的に打っている。

だが、2人の言葉を聞いていると、依然この地方では製造業が中心で、地元テレビや新聞社が

こぞって自動車はじめ、製造業の隆盛ぶりをとりあげていることも、若者や

親御さんたちへの刷り込みとしてあるのではないか。

  


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