社会主義的社風が蔓延れば。。。
仕事をやってもやらなくても、会社の利益に貢献してもしなくても評価は同じ。だったら業務時間を大過なく過ごせばいい。ごまかし、さぼり、やっているふりの横着三昧に、不良品が出ようが適当に数さえこなしていれば、管理職もあれこれ言ってこない。
「持てる者から豊かになれ」と改革開放路線を打ち出し、自由経済へと歩み出した『中国』。今や世界の工場から市場へと変貌し機関車役として世界経済を握るが、北京五輪を前に経済格差や小数民族、環境など根深い問題が露呈し、共産党一党独裁と人権無視という真の姿が露わになった。だが12億の民と55の小数民族を抱える多民族国家を束ねる為政者の緊張感は、単一民族で平和ボケが蔓延るどこかの国の比ではないだろう。
米国帰りの知識層「海亀」や社会主義体制下で疑問を抱き続けた若者が努力すれば報われる社会変化に乗じ巨万の「富」を築いた。元々知識層の中には留学後ノーベル賞や企業トップとして活躍し、ベンチャー企業ひしめくシリコンバレーの6割を中国・インド人が占めた。日本人が駐在員など「集団」の1人として海を渡るのに対し「個人」で挑む彼ら。格差に対する不満の沸点は日本人的感覚より低い。アフリカや南米など未開の地でも彼らがいない国はなく経済の中核を担う。
資本主義として長らく生きてきた日本でかつての中国のような結果の悪平等という社会主義的社風が蔓延ればどうだろう。当たり前のことを当たり前に継続して行うことが出来なくても、隙あらば横着しても管理職からのおとがめは一切なし。将来の展望や希望が見出せなくてもその日がただ過ぎればいいとその環境に疑問も抱かず居心地のいい者のみが流れ着き、“漂流島”と化す。
そういう環境の中では真っ当な人からまずは去り、しっかり教育を受けてきた真っ当な人は入っても「仕事を通じて成長できる環境でなく却って堕落させる」とすぐさま愛想を尽かし、去っていくだろう。