2008年02月09日

農地は中国から持って来れない

中国産のギョーザへの薬物混入問題が騒がれている中、豊田市国際交流協会で今日、市内で農業を学んでいる中国人研修生と指導者の農家から話を聞く国際理解教育セミナーが開かれた。

テーマは、「豊田の田んぼを守る中国人?」。

参加したのは中国語を学んでいたり、名古屋大学で「多文化共生」を研究する大学院生、出張で中国を頻繁に訪れている会社員ら20人。

高岡地区でコメ作りを行っている農事組合法人(=農業会社)では、10数年以上も前から中国人研修生を受け入れている。製造業の現場で中国やヴェトナム人研修生が欠かせない存在であることは知っていたが、農業でこういう状況になっているとは初めて知った。

ある一軒家に共同生活を送るものの、それぞれに個室が与えられ、食事は分担制。

仕事では主にコンバインなどの大型機械ではできない草刈りなどに従事し、農業現場での仕事ぶりや故郷の様子について参加者と意見を交換していた。


今回の事件では日本の加工食品の中国への依存の高さが改めて浮き彫りにされた。依然農薬などに対する意識の低さも露呈された。だから彼ら研修生が母国に帰り、3年間の研修を活かし、農業技術の向上に努めてくれると期待したいのだが、実状は全く違う。

別に彼らは故郷で農業などやってはいない。

日本の先進社会を体験したい、高い給料が貰えるなどの理由で来日した。農業はあくまでサラリーがもらえる「職業」に過ぎない。むしろ、給料をもらいながら、職業選択の幅が広がる「日本語」が学べることの方に、人生の上では価値を見出している。

だからといって、金の亡者ではない。日本の若者でも一緒だ。

待遇のいい仕事が、たまたま母国以外にあり、その間に外国語が学べるという一石二鳥に過ぎない。事実、これまでの先輩たちも帰国後は故郷を離れ、賃金のいい上海で日系企業やガイドなどの仕事をしている。


良い悪いではなく、農地は日本に持って来れない。なら、安い人をもってこればいい。


金、モノ、人のグローバル化は急速に進んでいる  


Posted by どんぐり at 22:38Comments(2)